東日本大震災でなぜ円高になったのか|豪ドル保有中に直面したあの異変
東日本大震災なのに、なぜ円高になったのか?
2011年3月11日。
東日本大震災の直後、
為替市場では急速な「円高」が進みました。
ドル円は一時76円台。
歴史的な円高水準です。
被災国なのに、なぜ通貨が買われるのか。
当時の僕には本気で意味が分かりませんでした。
豪ドルを保有していた口座は、
含み損を一気に拡大させていたからです。
震災時の円高はなぜ起きたのか
結論から整理します。
震災時の円高は、次の3つが重なった結果です。
・レパトリエーション(資金の本国回帰)観測
・有事の円買い(キャリートレードの巻き戻し)
・投機資金の加速
ここでは感情を抜きにして、
仕組みだけを整理します。
① レパトリエーション観測(円需要の思惑)
震災で企業や設備が大きな被害を受けました。
当然、保険金の支払いが発生します。
そのために
「海外資産を売って円に戻すのではないか」
という思惑が広がりました。
為替は、
実際に起きたことよりも
「起きると予想されたこと」で動きます。
円が必要になるかもしれない。
その予想が、
先回りの円買いを生みました。
② 有事の円買いとキャリートレードの巻き戻し
当時の円は低金利通貨でした。
投資家は円で資金を借り、
豪ドルなどの高金利通貨を買う
「キャリートレード」を行っていました。
震災発生
↓
リスク回避
↓
高金利通貨が売られる
↓
円が買い戻される
この巻き戻しが一気に進行しました。
これが急激な円高の主因のひとつです。
③ 投機資金の連鎖
為替は流れができると加速します。
「円が上がる」という動きに、
短期筋の資金が乗ります。
売りが売りを呼び、
ドル円は76円台まで急伸(円高)しました。
最終的には
G7による協調介入が行われ、
円高は一定程度是正されました。
理屈と感情は別だった
今なら説明できます。
でも当時の僕にあったのは、
理屈ではなく恐怖でした。
エクセルで
「50円は割らない」と計算したラインが、
現実のチャートで近づいてくる。
到達しないと信じていた水準が、
現実味を帯びて迫る。
震災で国が傷ついているのに、
自分は口座の数字を見て怯えている。
→ 豪ドルのスワップ投資で人生が止まりかけた話|強制ロスカット寸前の2年間
→ 含み損を見るのが怖かった|口座から目を逸らしていた理由
あのときの円高は、
資産運用を始めて最初の本気の恐怖でした。
まとめ|震災円高は市場構造の結果
東日本大震災時の円高は、
・円資金需要の思惑
・キャリートレードの巻き戻し
・投機資金の加速
この3つが重なった結果です。
為替は、
「経済が悪い=通貨安」
と単純には動きません。
資金の流れと市場心理が、
直感と逆の値動きを生みます。
そして僕はこの体験で、
ひとつ誤った学習をしました。
「ギリギリまで耐えれば、助かることもある」
→ 豪ドルで懲りたはずなのに|それでもトルコリラを選んだ理由
→ トルコリラのスワップ投資で抜けられなくなった話|欲と追加入金の記録
この成功体験が、
次のトルコリラへとつながっていきます。
資産運用、まだやらかしてます。

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